被せガラスコース レッスン3
ブラスト工房で行っている サンドブラストガラス彫刻講座の中で、
被せガラスを使ってガラス彫刻をする、 被せガラスコースのレッスン3です。
被せガラスを彫刻加工するには、いくつかの方法 技法 がありますが、今回
から ステップブラスト(段彫り)を行います。
目次 ・被せガラスとは ・ステップブラストの方法 ・ネコのデザインをカットする ・実際のブラスト作業 ・立体感のあるグラデーション ・次のレッスンへのステップ |
被せガラスとは
被せガラスは きせがらす と読みます。
かぶせがらす ではありません。
被せの読みは、
・洋服を着せる
・着物を被せる
の違いによるものと思われます。
洋服は体形に合わせて着る 体に密着させるというニュアンスがあります。
しかし着物は、体に何枚も被せていくニュアンスですね。
洋装が日本に入ってきた明治時代では、こういう漢字表記の使い分けが
されていたようです。
被せガラスは、ガラスの上にガラスをかぶせた構造になっています。
多くは、透明なガラスの外側に、色ガラスを付けた2層構造になって
います。
その外側の色ガラス部分を加工して、デザインを表現するのが、サンド
ブラストの被せガラス彫刻です。
ステップブラストの方法
ステップブラスト(段彫り)は、デザインを数回に分けて彫る
技法です。
そのことによって、遠近感・立体感を表現します。
被せガラスのステップブラストのコツとしては、クリアーガラス
コースのフレームブラストと同じように、
マスクとガラスの境目を彫る
ことです。
もう一つ重要なポイントは、砂の圧力を下げることです。
被せガラスの色ガラス部分の厚みは、厚いものでも2mm以下の
場合がほとんどです。
その薄い色ガラスに、通常の圧力で砂を当てると、あっという間に
色ガラスがなくなります。
そこで圧力を、1/2かそれ以下まで落として、ゆっくりと彫る
ことで、自然なグラデーションを付けることができます。
ネコのデザインをカットする
ネコのデザインですが、ネコは全体に丸みのある体で、直線の
の部分は耳くらいです。
カットする際には、直線的にならないように、カーブをきれい
にカットすることが大切です。
デザインカッターの刃は、角度が30度のものを使用します
実際のブラスト作業
まずは、グラス全体の色ガラスを削る 色落とし です。
今回はアクセントとして、足跡の部分は透明ガラスのまま残します。
色落としが終わったら、これもデザインの一部で、上部の飲み口の
部分を 波目模様 にします。
圧力を落とした状態で、ゆっくり縦に砂を当てることで、波目模様
を表現します。
前足・後足と、体との境目だけに、砂を当てて「ほんの少しだけ」
彫ります。
目で見て 白くなっているかいないか 程度のところで止めて
終了です。
立体感のあるグラデーション
写真のように、前足・後足と体の境目に、白いグラデーション
のラインが入りました。
キッチリした線で表現すると わざとらしく なってしまうの
グラデーションで表現した方が、自然な遠近感になります。
次のレッスンへのステップ
今回は被せガラスコースのレッスン3を紹介しました。
簡単そうに見えますが、これが被せガラスのステップブラストの基礎
であり、重要な技法です。
この先のレッスンで、花弁の多い花を彫る場合、繰り返し今回のステ
ップブラストを使いますので、
どの程度彫るのか
をマスターすることが大切です。